World Lighting Journey




モスクワ MOSCOW

闇に埋もれたモスクワの街にそれでも輝くいくつかの建築群は権威の象徴か。極度に商業のための猥雑な光が失せた時、街はこれほどまでに活気を失い、静けさを取り戻すものなのだ。冬の寒さの中に孤高な光が点在する。

モスクワ大学の夕景を臨む。





現在のボリショイ劇場は1856年に再建されたもの。ギリシャ風建築はディテールを活かした細かなライトアップがされている。



ボリショイ劇場の隣に建つツム百貨店のクリスマスイルミネーション。





        

■モスクワ 2008

昼は半袖でも、太陽が沈むと吐く息がうっすら白い夏のロシア。モスクワ中心部に数多く通る巨大な幹線道路には、この国らしさを象徴するスターリン・クラシック様式などの重厚な建築がずらりと建ち並び、繊細でダイナミックな美しい光の化粧がよく似合う。しかし美しいライトアップとは対照的に、広場や道路などの照明は大雑把な厚化粧であった。


幾多の歴史の舞台となった赤の広場。綺麗な石畳で構成されたこの広場は、夜になると巨大な投光器によってものすごい光量で舐めるように照らし出され、グレアが酷い。

このまるで宮殿のような地下鉄駅のホームは、モスクワではなにも珍しいことではない。日本でよく見かけるような剥き出しの蛍光灯などは一切無く、間接照明の優しい光が空間を包んでいる。





郊外の川沿いに「モスクワ・シティ」と呼ばれる大規模複合ビル建設プロジェクトが進行中。開発地区の総面積は1万kuにも及ぶ。これからどのような光を放っていくのだろうか。街が完成するのは2020年だ。