No 45 Wed. 21 September 2005



Over Alaskan Skies on JAL Flight 006

いま私は、凍てつく小さな窓に鼻と頬をぴったりくっつけて、満点の星座を背景にしたオーロラの光に見入っていた。成田空港を 発ち ニューヨークに向かう JL-006 便の機内。離陸してから 7 時間ほど 経つ から、やはりアラスカ上空にかかっているのかも知れない。熱心に仕事をしている私を見てスチュワーデスが小声で教えて くれた。「今、左手にオーロラが見えてますよ 。」 真下に見える雲海と似ているが、無数に散らばる星を背景にある時は昇り竜のように素早く、ある時は屏風のよう な冬の立山連峰が揺れ動くがごとくにも見えた。 仕舞 いにはオーロラがぼんやりした大きな塊になったかと思ったら、どうも飛行機が揺れ動くオーロラの中に突っ 込んでいる様子だ。いや、果敢に動き回るオーロラが飛行機を玩ぶがごとく絡みついて来たのかも知れない。まあいずれにしても幸運だ。この小さな窓を思い切り 破って零下 60 度の世界に飛び出したいほどだ。しっかり外気を遮断するペアーガラスが恨めしい。およそ 10 分程度の間だったのだろうか。

星の王子さまの優しい気持ちに一瞬近づいたような気がした。私の髪の毛が茶色く小さく逆毛だっているのではないかと思うほどに。星やオーロラなど、天空の出来 事に思いをはせるとPCに向かって一心不乱に機内で仕事をしている自分が滑稽に映る。私は何者だ。どうして急いで海を渡って他国へなんぞに行こうとしているのか。仕事は楽しいか。いろんな疑問符が嵐のように 降って くる

まっ、いいか。そんな禅問答に答えている暇もない自分にまた気づく。明日のニューヨークで行われる世界照明探偵団フォーラムの発表パワーポイントを完成させて、 たまった会社の心配事に一つ一つ結論を出して、普段無視した海外への E-mail の返信を丁寧に書いて、そして残りの 5 時間ほどは自分を騙して JFK まで深夜の 睡眠。さあ強めのジントニックでも作ってもらおうか。久しぶりの探偵ノートでした。